PORSCHE 911 GT3 ’14 type991.1

PORSCHE Cayman GT4 ’16 type981

「この二台、どちらを選びますか?」
というよく話題に上がるこんな質問。
簡単な問いのようで、これはかなり難しいもの
なんならポルシェファナティックたちを揺るがす話題だろう
どちらもポルシェのモータスポーツ・スピリットとテクノロジーを存分に注入され、
ポルシェのレーシングな部分の世界観が色濃い二台だが
そのアプローチの仕方や性格は似ているようで、全く違うもの
きっとポルシェファンの皆様は
どちらがいい?
なんて聞かれたらかなり頭を抱えるだろうし
911GT3かケイマンGT4か、どちらがいいなんて聞かれたらそれらで派閥がバッサリと別れてしまうだろう
ある意味、究極の質問と言ってもいい
GT3とGT4のどちらがいい論争
しばしば兄弟関係と比喩される911とケイマン
その中で同じ”GT”の名を与えられた2台
フラット6NAの圧倒的王者感を放つ”GT3”
それに負けてたまるかと下剋上を狙う”GT4”
そういう風に表現されることの多い関係性の2台だ
例えれば、究極の兄弟喧嘩
もうバチバチの火花を散らす
自然吸気NAの王者 兄貴分 ”911GT3”につくか、
それを追いかける弟分 ”ケイマンGT4”につくか
それのどちらに側に属するか…
あなたの走りに対する好みでそれは変わってくるはずだ
991.1GT3
911伝統のRRレイアウトに、レーシングエンジン並みのチューニングをされた3.8L フラット6搭載。
電光石火のPDK、軽量化したシャシーに電子制御技術から生み出される卓越したコーナリング性能
”RRの911の走りと速さを極めたのがGT3”
「伝統のRRレイアウト、絶対的な速さと刺激、フラット6の9000回転のフラット6の絶叫」それを味わいたいのならGT3だろう
981ケイマンGT4
スポーツカーの理想形、ミドシップレイアウト。ステアリングを切った瞬間にスッと鼻が入る素直さ。
重厚なパワーとサウンドが魅力のカレラS譲りの3.8Lのフラット6NAを搭載。
”MRのケイマンの走りの楽しさを極めたのがGT4”
「スポーツカーの理想形ミドシップレイアウト。重厚なカレラS譲りのフラット6NA。その操る楽しさと、MTで踊るように走れる一体感」を求めるならGT4だろう
どちらも
”ポルシェのレーシングスピリットと、その走りを存分に楽しんでほしい”
というポルシェからの直球なメッセージだ
故にどちらも素晴らしきスポーツカーであり、極上のドライビングプレジャーを与えてくれる
まさに至宝のポルシェ”GT”だ
さぁ、選ぶのです
ポルシェの伝統RRレイアウトと、GTの真髄を強烈な刺激と共に味わえるGT3か
ポルシェの革新MRレイアウトと、操る楽しさを人馬一体感を追い求めたGT4か
どちらがいいとは言い難い。どちらも素晴らしいクルマであるが故
GT3 vs GT4
さぁ、究極の兄弟喧嘩を始めようじゃないか
981型ケイマンGT4と991.1型GT3は、どちらもポルシェの自然吸気(NA)エンジンの傑作として名高いモデル
そのスタイリングには
「ミッドシップの機能美」と「RR(リアエンジン)の伝統と威厳」という明確な違いがあるように思う
それぞれのスタイリングの魅力と、見る者を惹きつける決定的な違いがある
991.1 GT3のスタイリング
絶対王者GT3の「風格」

991.1 GT3は、サーキット生まれのアスリートとしての「圧倒的な安定感」と「洗練された機能美」が何よりの魅力。
GT3は通常カレラより幅を拡大したワイドボディを採用。
ターボモデルとは異なり、リアフェンダーにエアインテークが無いのが一つのポイントだろう
穴のない滑らかで巨大なリアフェンダーが作り出す
筋肉質でエレガントな局面が独特なヒップライン
”クリーンなワイドボディの美学”
これは、911 GT3ならではの特権的な美しさだ。
またGT3の足元にはセンターロックホイールを採用しているのもポイントだ
レーシングカーと同様の1つの大きなナットで締め付けられるそのスタイル
これが視覚的に、純粋なレーシング直系の生まれであることを無言で物語る
”プロフェッショナルな道具感”を演出するのだ。

そして空力と一体化したリアウィング
GT3のリアウィングは、エンジンフードやダックテール形状のベース部分と一体感のあるデザインで構成。
GT4よりも「メーカーが作り出したの完成された空力兵器」といった趣があり、高速域でのスタビリティ(安定性)を視覚的にも感じさせます。
対して、981 ケイマン GT4のスタイリング
たとえるならば、”反骨のプレデター”
981 GT4のデザインは、兄貴分である911に挑戦状を叩きつけるようなアグレッシブさと、凝縮感が魅力的
低く構えたスタンス 標準のケイマンより30mm低められた車高と、911 GT3譲りのフロントの足回りを手に入れたことによりフロントトレッドが拡大
コンパクトなボディに対してタイヤが四隅に踏ん張るような塊感を作り出している
まるで獲物を狙う猛獣のような、そんな緊張感が漂うエクステリアだ

ミドシップの証である、サイドインテークの存在感
ケイマン最大の特徴であるドア後ろの巨大なエアインテーク。
ここから空気を吸い込み、ドライバーのすぐ背後にあるエンジンを冷却・燃焼させる、まさに機能美な造形
この造形がサイドビューに深い陰影を作りだす
ミッドシップ・スポーツカーであることを強烈に主張しています。
GT3が一体型の流れるような大型ウィングであったのに対して
GT4のウィングは、アルミ製の削り出しステーで支えられた高めの位置にある固定式を採用しているのがポイント
911 GT3よりも少し後付け感や、レーシングカーを意識したチューンドマシンのような荒々しい雰囲気を作り出す
これが兄貴分に挑戦状を叩き込む野性的な”ヤング・ガン”としてのキャラクターを際立たせています。

GT3 vs GT4の
最も大きな違いはエンジンの「出自」と「性格」にあるだろう。
例えるならそれは、別次元の刺激 vs 重厚なフィーリング
991.1 GT3

このフラット6の魅力は、なんといっても9,000rpmまで回る高回転型エンジン
レーシングエンジンの血統を強く感じるサウンド、そのフィーリングにある
リアに積まれるエンジンは、カレラシリーズが使う3.8Lの直噴ユニットをベースとする3.8Lの自然吸気のフラット6エンジン。
しかしながら、その中身は全くの別物。各部にGT3専用チューニングは施される
その内容は鍛造ピストン、チタンコンロッド、ロッカーアーム式バルブ駆動の採用など徹底的に手が入れられて最高回転数9000rpmという超高回転型にしつけ直された。

その出力は475ps、トルクは44.9kgmを発生する。
7,000回転を超えてからの突き抜けるようなパワーと、鼓膜を震わせる金属的な高周波サウンドは、GT4では味わえない「麻薬的」な魅力があります。
RRの強烈な蹴り出し感、絶大なトラクション。そしてしばし猟奇的なくらいな超高回転型エンジン
これがGT3のエンジンの魅力だ
981 ケイマンGT4
GT4に搭載されるフラット6NAの魅力、重厚なトルク感とバランスの取れたパワー感と、カレラS由来の信頼性
991.1世代の911カレラSに搭載されているの3.8Lエンジンをミッドシップに搭載しているのがポイント。

385 ps/7,400 rpm 420 Nm/4,750-6,000 rpm を発生
GT3のようなビリビリとした突き抜け感はありませんが、魅力的なのはその扱いやすさと、親しみやすさ
超高回転を狙ったGT3のエンジンに対し、カレラS譲りのパワーユニットは中低速からのトルクが太く、扱いやすいのが特徴

それこ街乗りであったり、タイトなワインディングでは扱いやすく、ドライバーのアクセルに従順でスッと気持ちよくコーナーを立ち上がれ、レブリミットの7800rpmまで淀みなく回っていくのがポイントです
サウンドは程よく低音が効いたなかに重厚なサウンドの中に、高回転で響き渡る高いサウンドが魅力的。
またミドシップですので、RRの911よりエンジンからの距離が近いというのもあり、より強いクルマとの一体感を味わえるのがポイント
それに耐久性やメンテナンスの神経質さはGT3ほどではないので気軽に乗れてしまうのも魅力的ですよね
991.1GT3と981GT4
エンジンも大きな違いがあるが、次点で大きく違うのはトランスミッションだろう
電光石火のPDK vs 至高のMT
991.1GT3に搭載されるのは2ペダルの7速PDK

これも専用チューンが施されたGT3用のもの
ミッション本体の軽量化やローギアード&クロスレシオ化、専用の変速プログラムが与えられており、電光石火のシフトスピードを手に入れている
それは速さを追い求めた故の選択、その一瞬でスパッと入るシフトスピードは人間の手では到底敵わないですし
シフトミスというものが無いので安心して攻められる
1秒、いや0コンマ何秒の世界を争うサーキット走行。速さを求めるという面においては右に出るものはないだろう
対して、GT4に搭載されるのは
6速のマニュアルトランスミッション

手足と頭を使い、自ら操る
そこへ歓びを覚える車好きのための不変の回答、それが6速MT。
カチカチと決まるそのシフトフィールはまさに極上
やや重めのクラッチを踏み込み、シフトを操作し伝わるストロークが短く剛性感を感じるシフトフィールは走ることに思わず夢中になってしまうほど
自分で操ることの快感においてはこちらが上です。
電光石火のPDK vs 至高のMT さぁあなたはどちらを選ぶ?
そしてハンドリングとその挙動の違い
RRの絶大なトラクション vs MRの絶妙なバランス
991.1 GT3
進化を続ける”伝統のRRレイアウト”
アルミ素材の採用などで軽量化されたシャシーには、各部調整機能が備わったサスペンションはとにかくハードにセットされ、求めている走りの領域を知らしめる
リアエンジン特有の「後ろから蹴り出される」強烈なトラクションに加え
リアエンジンのネガを打ち消しさらなるコーナリング性能を手に入れるべく、さまざまな手が加えられている

そしてトピックと言えば、リアアクスルステアリングの魔法
この世代から採用されたリアアクスルステアリング、4WS後輪操舵システムだ
2個の電気機械式アクチュエーターを使い、50km/h未満では前輪と逆位相、80km/h以上では同位相に操舵する
この効果は絶大。まるでホイールベースが短くなったかのような回頭性の高さを見せます。

電子制御式デフを使ったPTV Plusや、ダウンフォースを強く意識したボディスタイリングも相まって
高速域での安定性は圧倒的。
981 ケイマンGT4
物理法則に忠実なミッドシップ
一番の重量物であるエンジンが車の中心に重心があるミドシップレイアウトのため、ステアリングを切った瞬間にスッと鼻が入る素直さがあります。

低く構える姿勢は、専用設計のスポーツシャシーで30mmローダウンされたもの
GT3のフロントサスペンションを流用していますが、リアはストラット式。
GT3がPTVplus=電子制御デフなのに対して
ケイマンGT4はシンプルな機械式LSDを使用したPTVなのがポイント
ゆえに挙動が予測しやすく、車との人馬一体感はGT4の方が強く感じられる場面が多いでしょう。
革新技術的な手法で速さと楽しさを追求したGT3
アナログ的な手法で操る楽しさを追求したGT4
どちらも甲乙つけがたいぞ…

今回ご紹介しているGT3とGT4
どちらも内装のアプローチはポルシェの信念に則って、ドライビングに集中できる空間づくりに徹している

そこに派手派手しい過剰な演出は皆無。質実剛健。そんなインテリアだ

今回ご紹介するGT3とGT4、二台ともにブラックレザー×アルカンターラで構成されるインテリアを選択している
シックな印象と共にレーシングなテイストを盛り込んだGTシリーズらしいものだ
その中にも少し、アプローチの違いがあるのでご説明します
GT3がホワイトのステッチに対して、GT4はレッドステッチを選択している
GT4の方が若干情熱的な印象になっています
(もちろん、各個体それぞれ仕様は違うので、これ以外にもパターンはありますよ)
こちらのGT3は18WAYの電動調整機能を備えたアダプティブスポーツシートを選択

程よくタイトでその気にさせるが、けして過度な緊張感ではなく、妙にしっくりくる座り心地が特徴
バケットシートに比べて乗り降りもしやすく、ドライバーの好みに合わせて細かく調整が出来るのが魅力的なポイントだ
気軽に乗れて気軽にポルシェGTを体感できてしまう、それがこのGT3のエピックなポイントでしょう
対してこちらのGT4に選択されたのはカーボンバケットシート。

911よりもコンパクトなキャビンの中にそなわるカーボンバケットシート、まさにレーシングなテイスト!という感じでしょうか
見た目通りのホールド性の高さはGT4の実力を開放する時、コーナリングを存分に楽しみたいときには必須アイテムでしょう
その座りごちは見た目によらず、しっとりとしており長距離でも疲れにくい面も持ちます
どちらとも、ロールケージが張り巡らされるクラブスポーツなどの
ガチガチな体育会系一辺倒という雰囲気を選択するのではなく
日常的に使える一種のユルさ、シートヒーターを装備、快適さも兼ね備えているのがポイントだ
街乗りからクルージング、そしてもちろんワインディングでも楽しめる
日常と非日常の架け橋という目的はGT3もGT4も一緒
目指すところは一緒なのだ
その中でオプションのアプローチの違いインテリアの選択の違いで色々とキャラクターが変わる
これもまたポルシェの面白い所ですよね
しばしば兄弟関係と比喩される911とケイマン
その中で同じ”GT”の名を与えられた2台
GT3とGT4
設計思想、もっているスペックや駆動方式、その走りのアプローチもかなり違う
だがしかし、その志、作り出された目的は一緒。
それはレーシングな世界へと誘う
”日常と非日常の架け橋”であること
ポルシェレーシング直系で生み出されたこの2台
その走る姿は、見る者の心を焦がし、操る者の心を鷲掴みにする。
GT3・GT4を操る時、ドライバーが体感するのは、手に汗握る非日常の緊張感と高揚感。
GT3・GT4を駆り出し、官能的なフラット6サウンドを響かせ、一気に流れる景色とともに
”退屈な日常を置き去りにする”
あぁ、この瞬間の為にこのクルマがあるんだ!!
そう思わず叫んでしまうだろう
どちらでも、極上のドライビングエクスペリエンスを体感できるはずだ
最後に、皆さまにお聞きしたい
GT3とGT4、どっちでエクスペリエンスを感じたい?
あれ?また兄弟喧嘩が始まっちゃう?


◇◆お知らせ◆◇◆
大切なポルシェ、BMWを次のオーナー様へ大切に引き継ぎます!
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【野中誠太選手プロフィール】
・2000年生まれ/埼玉県川口市出身
・2021年 FIA-F4日本選手権 シリーズチャンピオン(6勝)
・2024年 スーパーフォーミュラ・ライツ シリーズ3位
・2022年よりSUPER GT・GT300クラスに参戦(2024年:シリーズ9位/埼玉Green Brave)
・2025年 全日本スーパーフォーミュラKDDI TGMGP TGR-DC、SUPER GT 埼玉Green Brave、
SUPER 耐久 埼玉Green Brave、GTアジア TOYOTA GAZOO RACING INDONESIA参戦中




